解決事例

相続登記/確定申告
相続登記と、新制度の空き家特例
相談内容
被相続人は独身で、両親から引継いだ古い一軒家にお一人で暮らしていました。ご相談者は妹さんで、相続登記のご相談でしたので、司法書士が対応しました。
お話を伺う中で、遺言により妹さんご自身が不動産を相続するが、今後の不動産の管理も大変なので売却したいというご希望をお持ちだとわかり、急遽、税理士と宅地建物取引士も同席し、ご相談をお受けしました。
というのも、ちょうどこの時期に、相続不動産の売却に関する譲渡所得の特別控除「空き家特例」が始まり、この案件が適用対象となるのではないかと考えたからです。
当事務所の対応と結果
空き家特例は制度自体も始まったばかりで、役所も税務署もまだまだ対応に慣れているとは言えません。適用要件も非常に細かく、相続登記~売却~確定申告まで、全体の流れを把握して手続を進めなければ、いざ申告の際に適用の許可が下りなかった・・ということになりかねません。(譲渡所得から3,000万円が特別控除されるか?されないか?は非常に大きいですよね!)

本件は、古い家屋は壊して土地だけを売却する予定でした。空き家特例には、「売却までに建物を滅失すること」と「売却の仲介業者が建物は空き家で、取壊し予定であることを表示して広告すること」という適用要件がありますので、売却活動の段階から、宅地建物取引業者の協力が必要です。
もしこの要件が満たせなければ、それに変わる書類をそろえなければならず、とても手間がかかってしまいますので、当事務所は売却を担当する不動産業者の担当者と連携をして、しっかりと広告に明記をして活動をしてもらいました。
また、建物取壊し後の更地の写真や、取壊し業者の費用明細など、手続に必要な書類はすべて連絡してありましたので、無事に特例適用のための証明書を取得することができました。
司法書士・税理士・宅地建物取引士の連携で、当事務所では空き家の特例案件を多く受任しております。
相続登記/遺産整理
親交のない遠縁の親族が相続人で、連絡先もわからない・・
相談内容
ご依頼人は、被相続人の姪の方でした。被相続人である叔母さんは子供がおらず、近くに住んでいた姪が、普段から身の回りのお世話をしていたそうです。
叔母さんが亡くなり、相続手続の必要があるのですが、叔母さんは兄弟がとても多くしかも末っ子でした。上の兄弟達はすでに他界しており、その子供達が何人いるのか?どこにいるのかも依頼人は知りませんでした。当事務所が戸籍を調査したところ、被相続人の甥・姪は依頼人の他に8人もいることがわかりました。
依頼人の希望としては、①自分の代わりに他の相続人に連絡を取り、遺産分割を手伝って欲しいことと、②自分は叔母の世話をしていたので、他の相続人よりは多目に遺産を相続したいということでした。
当事務所の対応と結果
まずは、司法書士がご相続人全員に対してお手紙を送付し、相続発生の事実と遺産分割が必要である旨をお知らせしました。司法書士はあくまでもご相続人間のまとめ役ですので、1人の相続人側に立ってご依頼人の代理人として戦う訳ではありません。中立な立場として全員の意見を聞き、ご要望を伝え、分割協議を相続人の合意の下にまとめる、というスタンスを大事にお手続を進めました。

お手紙を出した段階では、被相続人の存在も知らない方が多く、突然の通知に戸惑い態度を硬化させたご相続人もいらっしゃいましたが、交渉を進めるにつれ、「司法書士が間に入ることで、親族間ではなかなか遠慮して言えないような素直な要望・意見を言えて良かった」とおっしゃる方もいました。
また、親族同士で遺産分割をする場合には、明確な相続財産額や不動産の価格を知らないまま、協議書に押印をして、後々親族間で不満が残るというケースもありますので、特に人数の人数が多い場合などは、本件のように専門家が間に入りしっかりと財産目録を提示して協議を進めることをお勧めいたします。
相続税/登記/遺産整理
相続税申告の期限が迫っているケース
相談内容
この事例は、当事務所で相続登記、遺産整理、相続税のご依頼をお受けいたしました。
ご依頼人は被相続人の奥様で、相続発生後に亡ご主人の口座解約手続をしないまま時間が経ち、たまたま相談した銀行で、相続税の申告が必要であり、かつ期限も近いということを知り慌ててご相談にいらっしゃいました。ご相談の時点で、申告期限まであと2ヶ月弱という状況でした。
当事務所の対応と結果
税の申告期限は相続発生後10ヶ月以内ですので、まずは財産調査が最優先でした。
銀行口座が5社・証券会社が2社の他、共済保険や個人年金など多くの財産をお持ちでしたが、司法書士が遺産整理を受任し、全ての金融機関・保険会社等の手続を代理で行いました。

①司法書士がまずは相続人確定用の戸籍調査を行い、揃った時点で全金融機関から残高証明書を取得しました。当事務所はスタッフが20名おりますので、短時間で多くの銀行手続を同時に進めることができ、また不足の資料(取引履歴紹介や評価額証明の請求)も税理士と打合せのうえで取得しますので、その分税理士が早く全体財産額の把握をすることが可能となります。その分、分割案のご提案や納税予定額のご案内を早い段階で行うことができ、ご相続人は大分安心なさったようでした。

②司法書士が金融財産の調査・解約を進めている間に、税理士は不動産の評価額算定を行い、小規模宅地の特例や様々な控除を検討し、遺産分割案のシミュレーションを進めました。不動産については、税金のご案内と同時に、司法書士が登記手続・登記費用のご説明をしましたので、ご相続人も手続全体の費用を把握することができました。

③相続税の申告手続は無事に期限に間に合い、不動産の登記手続・金融財産の解約・換金・各ご相続人様への遺産金分配手続の完了を含めても、受任から3ヶ月以内で終了しました。各手続の専門家が同事務所内にいるという当事務所の特色が、最大に発揮でき、お客様のご要望にお応えできた案件でした。